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タマテバコのRiNのレビュー・感想・評価

タマテバコ(2015年製作の映画)
2.4
YouTubeでサクッと見られる系短編映画。

玉手箱は、女性の開ける化粧箱のことだから、浮気しないでね!って意味なんだよ。という、夢見がちな女性教師のお話から始まる今作、淡い中学生の恋物語です。

この話を聞いて、わたしは思わず妄想してしまいました。乙姫さんの本当の気持ちを。

あの時代、男は職業を持てば、余程貧乏でない限りは早くに嫁さんをもらうはずです。当然、浦島太郎は漁師ですし、とくに貧しいって話でもなかった。少なくとも乙姫さんは、地上には嫁さんがいると思ったのではないでしょうか。
だけど乙姫さんは、そんな浦島太郎を好きになってしまいました。
とは言うものの、住む世界が違います。帰るという彼を引き止めることも、地上まで乗り込んでいって嫁さんを蹴落とすことも叶いません。乙姫さんの悲しみは想像に余りあります。
そこで彼女は、些細な、しかし怖い怖い悪戯に思い至ります。
細工をした玉手箱をお土産に持してやろう。浦島太郎は開けずに持ち帰っても、不審に思った嫁が開けてくれたらしめたもの。老女房なんて愛想を尽かすに決まっている。そしたら地上がいやになって、わたしのところに戻ってきてくれるかもしれない。
ささやかな独占欲。不倫旅行で家族に土産物買わせようとする愛人みたいなメンタリティですよ。

ああ、怖い。
画面の中では中学生のキラキラ恋愛が描かれているっていうのにわたしときたら!!
あ、映画自体はスパイス効いてて面白かったですよ!!
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