Eryyy678

天空の城ラピュタのEryyy678のネタバレレビュー・内容・結末

天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

言わずと知れたジブリの名作。

圧倒的な科学技術を持ち、かつて世界を支配した「ラピュタ」。終盤、その強大な力で破壊の限りを尽くすこの要塞は、まさに恐怖の象徴。
しかし、本当に恐ろしいのはムスカ大佐ではないだろうか。
彼は、ラピュタの血族であるその正体を隠し、自らの野望の成就のため、軍内部で密かに活動していた。粗野なモウロ将軍と比べ、紳士的な印象すら与えるムスカは、ラピュタの力を手に入れ、豹変する。そして、「破壊」した。

世界を破壊し得る「兵器」があって、それを作動させることのできる「人間」がいる。ラピュタは映画の中だけの絵空事ではなく、現実世界にも世界を破壊できる兵器がある。だがそれを扱うのは、やはり人間なのだ。ムスカという、表面上その狂気を隠した人間が、「力」を手にすることの危険性に、この映画は警鐘を鳴らしているようにも感じる。そして、「力」を使われてしまっては、もう遅いのだ。現実には「バルス」など存在しないのだから。
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