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20センチュリー・ウーマンの水のレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.8
ジワジワと温かい作品😊

1979年サンタバーバラ。55歳のシングルマザードロシアは15歳の息子ジェイミーを養いながら、空いた部屋を27歳パンク系赤髪姐さんアビーと40代のエンジンおじさんに部屋を貸していた。息子とのジェネレーションギャップに苦しみ、距離を置くことを考えたドロシアは、アビーと近所に住む17歳の幼馴染みジュリーに息子の面倒を見てもらうように頼む…という話。

"20世紀を生きた女性たち"
ひとくくりに言ってしまえばそうだけど、テクノロジーや文化が目まぐるしく変わった100年、多種多様な考えを持つ各々の個性にフォーカスした良作。

ジェイミーが語るドロシア、アビー、ジュリー。ドロシアが語る自身、ジェイミー。背面で進んでいく息子の成長と母子のストーリー。時折挟まれる、時代を表したモノクロ写真がおしゃれ。激動の時代の中で、多種多様に生きる人たちを理解しようと、成長していくジェイミーがたくましかった💕

15歳というと高1か?
中学生まではどちらかというと親の庇護下にあるけど、高校生になると性への興味も出てきて大人になる年頃。親の知らない1面も増え、理解できないところも増えていく。
さらに40歳差という年の差。20代の私ですら今の小学生は大人びてると思うし、流行りも何も分からない。それを思うと、40歳差というのは異次元級なんだろうな🤔

ドロシアがアビーにもらす言葉、
"あなたは外の世界のあの子を見られる。羨ましいわ"
"どんなに子供を愛しても、しんどいだけ"
が印象的だった。愛しているが故に絶えず悩む。交わらないとこが増えても根本で繋がってる親子の絆。口論のあとのジェイミーの一言はドロシアの心を救ったと思う🥰

最後のその後の人生もまた良き。
こんな思春期ど真ん中に、性やら大人の社交術やらフェミニズムを教え込まれたジェイミーはさぞかしモテモテの道を歩んだのだろうと勝手に想像しました笑

等身大の母親を演じたアネット・ベニングが最高に素敵でした💕
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