さやか

20センチュリー・ウーマンのさやかのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.0
爽やかな季節の中で、反抗期真っ只中の少年ジェイミーと自由奔放なシングルマザーのドロシアと、その二人を取り巻く女性たちがどのような化学反応を起こすのかがとても楽しみな映画でした。

現在日本において核家族化が進み、それに伴い地域の人々等とのつながりがどんどん薄れてきているように感じます。子育てをする上で、家族の中だけで完結せず、地域の人々をはじめとする周囲のコミュニティと助け合いながら子供との絆を深めていく部分も大いにあると思います。そのため、この映画が家族関係を育んでいく上で、周囲との付き合い方を見直すきっかけになるかもしれないと感じております。

本編を通して特に印象的だったのが、ドロシアの、
"I don't need a book to know about myself (自分のことを知るために本なんか必要ないわ)" という台詞で、すごくハッとさせられました。本によって定義づけられるものに縛られたくない彼女の率直な気持ちは、子育てをする上で、ジェイミーを「子どもはこうあるべき」という理想像に沿わせるのではなく、子どもを一人の人間として尊重する彼女の子育てスタイルを象徴しているように感じました。

この映画が扱う時代に平成生まれのわたしはまだ生まれていませんが、今回この試写会に参加させていただき、自分の目でしっかりと鑑賞できたことで、この時代の良さ、そして、子育ての奥深さを感じ取ることができました。映画の中で扱われた音楽もファッションも大好きでしたし、また劇場で鑑賞したい作品です。ぜひ1970年代の風を映画館で感じてみてください。

この試写会に参加できてよかったです。
本当にありがとうございました。
さやか

さやか