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20センチュリー・ウーマンのYossyHOMMEのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
5.0
自己の確立:個人と社会が結びついた時代に
 ジェイミーは世代の異なる3人の女性を通じてフェミニズム・性・パンクを学び、女性を理解しようとする。スケボー仲間との喧嘩、添い寝の拒否とジュリーへの告白、髪のブリーチは彼自身の変化と自己の確立の現れだろう。失神ゲームに興じてた頃の彼とは違う。
 物語が描く70年代はウーマンリブを経て男女平等・人権意識のアップデートが図られ、女性が男性的な価値観から脱却し、自己を確立=自立しようとした時代だ。父が残したフォードの炎上が示すのは前時代的な価値観の衰退とも受け取れる。
 本作は70年代の女性の変化とジェイミーの成長を重ね合わせる。彼の成長に母が戸惑う姿は、当時の女性の変化に戸惑う男性の姿のようにも見える。


「あなたは外の世界のあの子を見れる。羨ましいわ」
分からないままでいること、分からなさをそのまま受け入れるということ
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