まりん

20センチュリー・ウーマンのまりんのネタバレレビュー・内容・結末

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

手法が面白い。
1979年。15歳のジェイミーのほんの一時期。
思春期の息子には伝わらない母親の思い。
母親には届かない息子の思い。
物語では無い、関わった人たちのそれぞれの過去を交えながら、その一瞬の生き様を浮き彫りにする。
沢山の経験をして欲しい・・と願いながら、息子が急速に大人の階段を上ることへの母の戸惑い。
母には見せない息子の側面への寂しさ。
受け止めている態度を示しながら心配し、焦る思い。
息子の好きな物、好きな世界、それを体感しながら、老いに対しての焦り。
今は、40歳での出産て珍しくないんだろうけど、この頃はかなりの高齢出産なのよね。
だから若者文化への戸惑いが大きい。
私、今息子とライブハウスとか行くもん。
そして、ラスト。分かり合えた・・変わった・・と思えたその先。
それぞれのその後を、人生を終えてからの目線で描く。
パンクが廃れる。とか、地球温暖化とか、新たな脅威となる病気とか、ちょっと予知めいた視線でその後の社会現象を物語る。
自分の最期の時。その時の思い。ままならない人生。
でも、終えて、穏やかに残した者たちを見つめられるのは良いな‥
まりん

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