いちこ

20センチュリー・ウーマンのいちこのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
4.5
ただの女性礼賛映画ではない。少年をとりまく女性たち皆が不完全で、その欠けた部分に合うように成長していくことで、親子の距離も、性の目覚めも、アイデンティティの確立も、ひとつひとつ大切に受け入れられる。そんな少年の瑞々しさの反射で、周囲の女性たちが鮮やかに照らされる映画。彼女らは、私たちは、そうして自己のかたちをようやく知る。ジェンダーは異性の反射でかたち作られる。私たちは不完全なかたちさえ魅力になる。大切なことが他にもたくさんあった気がする。登場人物全員が全員必要な世界ではないのに、この人たちでしかつくれない一過性の風景を描いているのがとてもとても好き。あとタバコはやっぱり他人に吸い方を教えて貰って、吸い始めたい。
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