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20センチュリー・ウーマンのNEWおっさんのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
3.5
「母と息子と幼なじみと同居人と。」

離婚した55歳の母が高齢出産で産んだ15歳の息子との関係を、幼なじみや同居人を交えて描くヒューマンドラマ。舞台は1979年。登場人物はほぼ5人で構成されているのでキャラが多くてワケわからなくなるとかは無い。

物語の骨子としては息子の成長期に差し掛かった時に、母としてどのように接したら良いのか、というモノ。母は母でしっかりし過ぎているのでたまに窮屈感があったりし、息子は息子で悪ぶれるコトがカッコイイと思ったりしている。幼なじみのジュリーや同居人のアビーに息子を見てくれと頼むのがコトの始まり。着地点は本当にシンプルなんだが、そこに至るまでの遠回りぶりがリアル。

世話を頼まれた2人の女の子は食事の席で生理とか初体験の話したりとかどっかイカれてるのが魅力でもある。特にジュリーを演じるエル・ファニングのやさぐれ感が可愛い。この娘はこういう役のが似合うよ。まあでもジュリーは現実に考えたらメンドクサイ女なんだけどな。これ所謂ソフレって言うのか。ジェイミー誘って浜辺まで言って一泊してセックスは出来ないとかジェイミーからしたらキツ過ぎるだろ。

基本的には面白かったんだが、その後みたいなのは要らないと思った。中盤あたりからメタ的視点を入れてくる当たりから嫌な予感がしてたんだが、そういうのを無くして本当ひと夏のストーリーだけで良かったんじゃないかな。あとドロシアジェイミー母子以外の3人の元の家族との掘り下げをもうちょっとゆっくりやって欲しかったってのもある。過去は問題じゃない、ってのがあるかも知れないが、それにしたって登場人物紹介みたいな感じだったからなあ。惜しい。ドロシアの元夫との掘り下げは殆ど無かったのは逆に良かった。