「この映画を作った人は女のことがよく分かっている」なんて言えば、如何にも女のことが分かっているように思われそうだから最初に断っておくが、自分は女性のことが未だによく分かっていない。なので、自分にはいま一つついていけなかったってのが正直な感想である。
しかし、面白かったかどうかは別にして、この映画からは学べることがたくさんあった。
1970年代アメリカの政治状況、音楽、ファッション、インテリア、性の革命…あとは当時のアメリカ人女性には進歩的な考え方をを持っている人がいっぱいいて日本なんかよりも全然進んでいたこと。
自分の知らないことがあれよあれよと開陳されて、説明的ではあったが、親切に教えてくれてどうもありがとうと感謝したいくらいだった。
で、肝心の内容はと言うと、15歳の思春期の少年と彼を取り巻く3人の個性的な女たち、それにおまけ的な感じでおっさんを出してきて、1979年の数カ月を俯瞰的に描いている。
物語は少年の成長が核だけど、それ以外の人々にも光が当てられている。
とりわけ、55歳の母親は、息子には厳しいくせに自分のことになるとこじらせ気味な面倒くさい人である。しかし、それは、息子に良い男になってもらいたいと願うがゆえの面倒くささなので、イラッとしても大目に見てあげよう。
何でもこの映画は監督さんが実話をもとにして作ったという。彼にしてみれば、現在の自分を作った女性たちへの讃歌ということになるだろう。特に母親への愛を強く感じた。
だからだろう、自分にはその愛の熱量が凄まじく、同時に説教を受けているような感じがして、ついていけなかった。
しかし、既に書いたように、この映画から学んだことはたくさんある。
現時点では苦手でも、今以上に女性を学び、理解することができたなら、評価は変わるかもしれない。