磔刑

20センチュリー・ウーマンの磔刑のレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
-
「女の敵は女」☆0.2

話しはあって無いようなものだがそれを演出美で補強しているアート系作品だ。良く言えば芸術的ではあるが悪く言えば不毛な内容を誤魔化している。私は後者の感覚が強かった。

何かしら伝えたい事があるのだろうがこの演出の仕方では伝わるものも伝わらない様に思える。何より登場人物が多い割には全員目的が無く、物語が何に向かって進行しているかが分からない為、終始流動的で間延びしている。加えて登場人物全員がやたらと達観したものの考え方をしており、人間味に欠けセリフが説教臭い。ドラマと言うよりは自己啓発本を読んでいるような感覚だ。
まぁそう言った部分をアート的演出で映画としての体裁を保とうとしているのだろうがそれ自体が個人的には気に入らない。

穿った見方をすればまだ自主性を確立していない童貞男子を三人の女性達が自分の好み(都合の良い)の男性に仕立て上げる一種の洗脳をしている様な印象すら受け、観ていて気持ちの良いものではない。

Talking Headsのアルバムなら『Remain in Light』が一番好きだ。ライブアルバム『Stop Making Sense』の独創的な舞台演出、デヴィッド・バーンのカリスマ性溢れるパフォーマンスは伝説級であり、『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミが監督した超名作なので是非鑑賞してもらいたい。
磔刑

磔刑