はる

20センチュリー・ウーマンのはるのレビュー・感想・評価

20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)
5.0
いやぁねぇとっても良かったです!ちなみに私も軟弱派ですねトーキングヘッズもスーサイドも大好きなので笑
さて、どうせ小洒落た映画なんだろ?とか斜に構えてましたらえらく感動してしまいました。観終わってしみじみ良い映画だったな〜と。
まず、音楽もファッションも素敵なんですよ。ファッションについては詳しくないですけど、シーンが移り変わる度に色んなお洋服が見られるのは楽しいですね。音楽についてもNYパンクが流れまくる感じは私としては最高でした。
登場人物は5人。お母さんのドロシーと息子のジェイミー。ルームメイトのアビーにウィリアム。そしてジェイミーの幼なじみジュリーですね。
年頃のジェイミーに対してどう関係性を築いていけばいいか悩むシングルマザーのドロシーがアビーとジュリーの2人に父親がわりとは言わないまでも助けを求めるというのがざっくりとしたあらすじですかね。
コレ面白いのはルームメイトのウィリアムとジェイミーは殆ど絡まないとこなんですよね。ウィリアムはドロシーとも仲が良いし、年齢も父親くらいで優しそうなええおっちゃんなんですけどジェイミーとは合わないんですよね。なんか普通だったら男同士で良いじゃないみたいなの想像しちゃってた自分の感覚を見直しました。
アビーとジュリーはジェイミーにとって不思議な距離感でもちろん母親でも父親でもなければ、お姉ちゃんでもないし、恋人とも友達ともまた違うような。それでも15歳のジェイミーにとっては強烈な影響を与える存在なのは間違い無くて。アビーとジュリーは正反対というか全く異なるカラーを持った女性で、ジェイミーはそれぞれから色〜んな事を学んでいくなんてのが良いんですよ。ジェイミーは15歳とは思えないほど賢い、でもちゃんと15歳らしさもあって可愛らしい。音楽の事だったり、セックスの事だったり、父親のいないジェイミーにとってアビーとジュリーはどちらが欠けてもいけない存在だったんだろうと思いました。まぁこんなボンヤリとした感想を書くのも良いんですけど、やっぱりこの映画はお気に入りのシーンが沢山あって、例えば、ジュリーがジェイミーにタバコのカッコいい吸い方を教えるとことか、ジェイミーがアビーの通院に付き添うとことか、ドロシーとウィリアムがトーキングヘッズ聴いて踊るとことか、言い出したらキリがない程にあーこのシーン最高!ってのがもう毎分登場する勢いなんですよね!人生の喜びも悲しみも全てがグーっと詰まっていて瑞々しいんですよ!男だとか女だとか、ガキだとかおっさんだとか関係なくて、互いを尊重し、理解しようとする気持ちこそが大切であるという事を学びました。良い映画だと思います素晴らしかった!
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