タイトルは「20センチュリーウーマン」ですが、ストーリーは20世紀に生まれ成長した女性に育まれる20センチュリーボーイといった感じ。
何が良いかというと、それぞれの人の一生が映画のコンテクストの中にしっかり組み込まれているところ。それが描かれないのは少年一人くらいで、なぜかというと彼はまだその過程にあるから。
それぞれの人がいつ生まれて、どう生きてきたかが丁寧に描かれるのでそれぞれの人の劇中での行動に共感できる。
なぜ「生理」と叫ぶのか、叫ばせようとするのか、それすら理解できる。
だからこそ、その過程にある少年の心情というのが不明確で、不安定で壊れそうなものとしてうまく表されているような気がします。
憎める人のいない、優しい雰囲気を持った作品。