社長

世界の涯てにの社長のレビュー・感想・評価

世界の涯てに(1936年製作の映画)
5.0
落ちぶれた歌姫と遠巻きに眺める男との交わらない視線が、切り返しの中でのみ遂に見つめ合うとき、神聖さすら感じる。
ツァラー・レアンダーはしばしば大勢の人間から見られている。舞台で、流刑へ向かう階段で、婚約者候補の女囚として。
そして彼女はひとりで窓越しに覗く宴会の中、かつての恋人を見つける。その孤立を深めていく屹然とした姿に寄り添うように、映画が息づいている。
ウィリー・ビルゲルの、序盤の軽薄なキャラクターに徐々に過ちが重くのしかかっていく姿も素晴らしかった。夜の窓に映る慄く表情が忘れ難い。
社長

社長