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レディ・バードのFARGOのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.5
【閉塞感のある片田舎に暮らすカトリック系の女子高生クリスティンが、高校生活最後の年に友人やボーイフレンド、家族、将来について悩み、揺れ動く様をユーモラスに描く】

6月1日日本公開の本作『レディ・バード 』
Filmarks主催の試写会にて一足お先に鑑賞してまいりました😎

【羽ばたけ、自分】

今作監督のグレタ・ガーウィッグが主演を務めた『フランシス・ハ』という作品を観た時、「この役者さんが出演するティーン映画があれば…」と片っ端からから彼女の出演作品を探し漁ったのを覚えています😓

今作『レディ・バード 』はそんな私の欲望を叶えてくれた夢の様な作品🎬
主演を演じるのは『ブルックリン』などのシアーシャ・ローナン。監督の反自伝的作品でもあり、今年のアカデミー賞5部門にノミーネトされた話題作❗️
今後のアメリカ映画を牽引するであろう若き才能の出発点、そして青春映画史に色濃く名を残すこと間違い無しの傑作でございました😊

時代は2002年、カリフォルニア州のサクラメント。閉鎖感溢れる片田舎のカトリック高校に通うクリスティン
自身に”レディ・バード “という名を付け、周りの人々にそう呼ばせる痛々しさMAXの17歳👊
大都会ニューヨークへの大学進学を夢見る彼女の、”気取りながらも無知な様子”は今までの青春映画でありそうで無かった等身大の主人公を確立していたと感じます❗️

自分には未知なる才能が潜んでいる過信するお年頃
「将来どうしたいの?」
「数学オリンピックに出たいです。」
「でも数学は苦手でしょ?」
「これから得意になる予定です。」

知ったかぶり感満載の思考は『スウィート17モンスター』の主人公ネイディーンを彷彿とさせます🥤

片田舎の美しい住宅街を見事に映し出す画角割、夕日や木漏れ日などの自然が生み出す光の捉え方など、ポスト”ソフィア・コッポラ”と例えられるのも頷ける映像美の数々には思わず息を呑みます。
また、今作が特徴的なのは、主人公が毛嫌う地元の街並みが決して雑に描かれない、むしろ都会の街並みよりも優美に描かれている点。
これが、主人公が一歩成長した時に感じる「帰る場所がある事の幸せ」を表現していると感じます😊

劇中人物の描き方もお見事👏
特に主人公クリスティンの描き方、演じ方は監督、演者の妙技といったところ❗️

自伝的内容を踏まえている為か、走行中の車から突然飛び降りる破天荒さすら自然に見えてきました。
彼女が徐々に自分の道を進み出す描写、その時かかる”あの曲”、そしてプロムへ…
朝方のサクラメントが映し出す青春の恍惚と不安、成長。
ワンカットも無駄がない…見事です👏

その他、大親友のジュリー、良いとこ育ちのダニー、社会学オタクのカイル、感情豊かなラヴィアッチ神父、アメフト部監督から演劇部顧問に就任したA・I・T・U (アイツ)←😎
脇役ですらちゃんとした登場人物として描き出す監督の技量は天晴の一言❗️

中でも両親の存在は今作を語る上で欠かせない役回り
トレイシー・レッツが演じる素朴ながらもジェントルマンな父親、ローリー・メトカーフが演じる娘と瓜二つな母親。
父の心底娘を愛する様子、素朴だからこそ落涙度が増し増しの終盤での”ある行動”は胸打たれること間違いなし❗️
また、この娘にこの母ありと思わせる、負けず嫌いで頑固な様子、2人のコントの様な掛け合いは観るたびに笑ってしまいました😁

なんでも完璧にこなすレディ・バード の母。特に劇中印象的だったのは、空港から車で出る時の一連の表情です。
憎たらしくて、いつも怒ってばっかりだけど可愛い一人娘の旅立ちを自分の目で見届けたい。ハンドルを切り返し、アクセルを強く踏む母の優しさにノックアウトでした🤛

失業した父に変わり家族全員の生活費を養う母の姿、ボロボロの車に乗りながら、愛する一人娘の学費を稼ぎ、都会で一人暮らしをするのならと車の免許まで取らせてくれる。
それらの事に劇中言及される事はありませんが、『他人の優しさに気が付いた時、人間は大きく成長できる』のだと思います。

ラストのクリスティンが伝える「ありがとう」は、シンプルで有り触れた言葉ですが、彼女自身の成長を表現するにはベストなチョイス❗️必死に泣くまいと我慢していた私も思わず落涙😭

【愛すべき我々の主人公クリスティン】

彼女が名乗る”Lady Bird/レディ・バード ”という名は日本語で”てんとう虫”という意味🐞
てんとう虫は羽ばたく瞬間、硬い「さや羽」を持ち上げた後に柔らかい「後ろ羽」を大きく広げ、あの小さい体からは想像もできない距離を飛行するそうです。
主人公クリスティン(レディ・バード )が地元サクラメントで過ごした時間は、正に遠くに飛び立つ為に羽を広げる充電期間❗️

終盤、名前を聞かれた時に彼女は何と名乗るのか…
それでもちょっとした嘘を付いてしまう可愛くも痛いげな様子に共感すること間違いなし❗️
人生の大きな一歩を踏み出した愛すべき主人公をこれからも直向き応援していきたいと思いました😊

お見事グレタ・ガーウィッグ👏
技あり傑作ティーンムービーです❗️