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レディ・バードのMALPASOのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.1
新たなハリウッドを味わいたいなら、この映画と「フロリダ・プロジェクト」を観るべし。

2002年、主人公は自分のことを通称レディ・バードと呼ぶ高校生が卒業後の将来に悩む。母と娘が描かれる。
先日テキサス・オースティンの川辺を散歩していたら、レディ・バード公園というのがあった。大統領夫人、ファーストレディの名にちなんでつけられた公園の名前。ケネディ大統領の死で大統領となったジョンソン。その夫人が子供の頃から通称として自らの名前にしていたのがレディ・バード。英語でテントウムシ。映画もこの辺からきているのかと思われる。

オープニング、車の中で「怒りの葡萄」の朗読を聴いてからの衝撃の展開。

何もない田舎の高校を卒業して都会に出て行きたい若者。「アメリカン・グラフティ」とか、アメリカ映画で何度か描かれるテーマ。何もない田舎として描かれる舞台のサクラメントはイーストウッドが市長だったところで、「15時17分、パリ行き」の若者たちの出身地。今はニューヨークに住む監督グレタ・ガーウィグが育った場所。つまり監督の自伝的なお話。グレタは「犬ヶ島」で声優もやってる。

ビーニー・フェルドスタインがジョナ・ヒルにすごく似てると思ってたら妹だった!今や名女優になったシアーシャ・ローナンはじめ、「君に名前で〜」のティモシ・シャラメ、「マンチェスター・バイ〜」のルーカス・ヘッジズ、そして「パティ・ケイク$」のダニエル・マクドナルドと、ハリウッドの期待の星が勢揃いしている。「カリフォルニア・プロジェクト」とかこの映画を観ると時代が変わっていくワクワク感がある。

ギプス、プロムのドレスとピンクがよく出ている。プロムのシーンで「プリティ・イン・ピンク」的な展開をみせるかと思いきや、女子の友情を深めるアイテムとなる。

会話劇で展開するんだけど、無駄がないテンポ。ラスト、何を思うかは、人それぞれだけど、いい映画でした。
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