背骨

レディ・バードの背骨のレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.1
レディバードの恋と友情と過酷な受験戦争を戦う超ハイテンポで濃密な高校三年生としての1年間。

彼女は両親がつけてくれた名前が気に入らなくて、自分で勝手に「レディバード」って名乗っちゃう、ちょっと痛い子笑。

生まれ育ったサクラメントの街がどうしても好きになれなくて、両親ともなんとなくソリが合わないから、憧れていた都会の大学へ出て行こうとするけど、あんまりお勉強が得意じゃないレディバード。

この年頃の時に「自分が何者かわからなくて不安」なのは誰にでもあることだし、そんな中でも、親や学校や常識や社会システムに嘘と毒舌で楯突きながら、「自分とはなんぞや」を模索する彼女に笑っちゃいながらも胸熱。

あれは彼女なりに恋に友情に自分の進路に一生懸命向き合ってる姿だし、そんなレディバードが愛おしかった。

やがて破天荒に振舞っていたレディバードにも自分を振り返る時がやってくる。その時、初めて見えてくる今まで見えていなかったもの。

彼女が「レディバード」の名前を捨てる時、彼女の中に起きた「世の中の見方が180度変わるような変化」にあの頃の自分を思い出してグッときた。

実家を出たことがある人ならきっと共感出来ちゃうやつです、この映画は。

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とんでもない情報量とエピソードを盛り盛りに詰め込んだ超ハイテンポ編集。

これがレディ・バードの無茶苦茶な言動と相まってスンゴイ心地良い。

6時間分のシナリオを94分にまとめた作りが、この映画の比類ないスタイルを作り上げていて、そこも大きな見どころです。
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