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レディ・バードのERIのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.8
レディースディの水曜日。小さな劇場はほぼ女性で満席だった。劇場には笑いが溢れてあっという間の93分。小さな片田舎に暮らすクリスティンの、何者でもない自分から羽ばたこうと必死にもがく高校時代を描いた作品。

女の子下ネタもあったり、ユーモアもあって、何よりテンポが良いのでめちゃくちゃ見やすい。

自分のことをレディ・バードとかって別名をつけないまでも、家族のこと、母親との距離、知らない世界への憧れ、親友との濃密な時間とか、共感できるところがいっぱいあった。だからクリスティンがめちゃこじれてるけど、愛せちゃう。そして、ママの気持ちも大人になるととてもわかる。小さなことでいちいちぶつかって、そんな風にして大人になるのかもしれない。


住んでいる世界が窮屈で、自分はもっと何かを為し得れるんじゃないかって信じる10代の、なんだか胸がぎゅっとなる時間。そして愛されたい気持ち。思春期の自意識が漏れ落ちてるレディ・バード。

失敗もあったり傷ついたり自分を見失ったり見つけたりの時間の後の、本当に大人に変わってゆく時間。あの妙に素直になれるトンネルみたいな場面を本作はとても美しく描いていて綺麗だったな。

この街を出られるってわかってから見るサクラメントの街は、いつもと違ってキラキラ輝いて愛おしく見える。

近すぎて大切がわからない時がある。飛び出したくてこの場にいられなくてイライラしたり泣きたくなったり。幸せになれないと泣いてしまうとき。10代の頃の記憶が引っ張られてびっくりした。ここに居るのにここに居ないみたいでなんだかそわそわして、叫びたいのに勇気がなくて泣く、みたいなそんな気持ち。どうした?って感じだけど、わかるなぁ。

そしてティモシー・シャラメがかっこよくて、これまた見どころ。


最初のほう、寝不足でちょっとウトウトしてしまったのが悔やまれる。絶対もう一度見る。
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