kuzira

レディ・バードのkuziraのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.4
東京に出てきてもう丸二年になろうとしています

僕が旅立つ日、夜行バス停留所までの道のりを
母が車で運転してくれていて
なんとなくいつもよりしっとりした街並みの街灯が
印象的で今もこの映画を観て蘇ってきました

特に特別な会話なんてしてなくて

また帰るねも、行ってきますも
頑張ってくるねも、ありがとうも

これといって言わなかったし
親子の間の慣れだから
今更みたいな事も思ったんだけど

夜行バスの窓から外を見下ろした時に
母はいつもより
こっちを見上げて見つめ続けていたような
そんな居心地悪さの中に温い感情がありました

これは勝手な僕とレディバードの一致であり
人生の中の一選択に過ぎないものだけど

家族からの認められたさや、わかって欲しさ
そんな青さを捨てられずにいた気がします
そしてそれは捨てるものではないし
拾ってあげるものでもないのだと今は思います


簡単になんてなれる訳がないんですよね
しっかりとした命を育てるという事は
だから自分の答えとしてはしっかりと生きること

自分が自分を大切に育ててあげること
もうきっと恩返しはその先にあるということ

また強くなれる映画が、強くしてくれる映画が
この世界に羽ばたいたんだなぁと、

もう、ずっと。
ありがとうが羽を与えてくれるんです
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