ぐち

レディ・バードのぐちのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

劇的に変わることも、変わらないでいることも難しい。人は否応無しにゆっくり変質し続けながらえっちらおっちら歩いていく。

女親と娘の関係がめちゃくちゃ身に覚えがあって笑ってしまった。楽しく話してたと思ったら小さな一言で急に険悪になって売り言葉に買い言葉で喧嘩して、5分後には素敵なドレスを見つけて意気投合(多分この5分後にまた口論する)感じがすっっっごいリアル。あるある。

性に興味があってカトリックのお堅い学校は退屈で、でも部活したり彼氏ができたり女友達と馬鹿話したり(この馬鹿話が下品なのが最高!こういうのは男子高校生だけの特権じゃない)喧嘩したり、プロムのドレスは量販店の吊るしで、彼氏に幻滅してもプロムまで何とかもたせたい(日本で言えばクリスマスまで?)、上京した彼女が出身を聞かれて「サクラメント」って答えるけど通じなくて「サンフランシスコ」って言い直すのもめちゃくちゃあるあるで笑った。私の友達も愛知県岡崎市出身だけど言ってもわからないから名古屋って言うようにしてる。
私でもこんなに共感するんだからアメリカの女子にはハチャメチャに刺さるだろうなぁ。
「普通」を描くのが抜群にうまい。
レディ・バードが特に何かを目指してるわけでも死ぬほど努力してるわけでも無くて、しかも最後までそうなのがすごく良かった。

地元は死ぬほど退屈だけどNYで地名が通じなければムッとするし初めて運転したとき景色に感動するし、カトリックなんて信奉してなかったけど日曜はミサに行くとなんとなく気持ちがホッとする。
愛してるけど煩わしい地元と家族。

編集のテンポが最高に良かったなー


それにしてもシアーシャ・ローナンは地元を巣立ちがちだしティモシー・シャラメは初体験を奪われがち(実際初めてじゃなかったけど)
ぐち

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