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レディ・バードのperoのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
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ゼロ年代マンブルコア(知らない人はネットで調べてね)のミューズと言われ、公私ともにパートナーであるノア・バームバックと共同で脚本を書き作りあげた「フランシス・ハ」で女優として地位を確立したグレタ・ガーウィクの初監督作品。

初監督作ながらアカデミー作品賞にノミネートという快挙を成し遂げているが、映画自体は肩肘張らない作品。

サクラメントで自分の事をレディバードと名乗る、学校でちょっと浮いている17歳のクリスティン(シアーシャ・ローナン)の高校最後の一年間の物語。友達、大学進学、ボーイフレンドといっぱいいっぱいなのに理解してくれない母親(ローリー・メカトーフ)との衝突、思春期の人生はままならない事ばかり…

これは田舎でくすぶっていたグレタ・ガーウィクがその頃の自分へ送るラブレター。
それは全ての地方出身者、都会でもイケてない自分を持て余している女子への応援でもある。

自分でもどうしようもない自我を持て余していたサブカル思春期を思い出しつつ、母親の歳に近づいて来たせいか母親の気持ちにも感情移入しながら見た。

誰の目線で見てもフェアで、登場人物の画面の後ろにある物語が透けて見え彼等一人一人でも映画が出来そうな愛おしい物語。

最後にアラフォーサブカル拗らせ女子から、一言。

レディバードはイケてない自分でもNYに行けば才能が開花し変われると思っている。でもその先に「フランシス・ハ」のような自分の才能と泥試合をしなければいけない事をまだ知らない。

自分もこんなだったけど、こんな娘やだなぁ。本当に母親の愛情に感謝。
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