互いに大事に想い合っている親子、その愛を上手く伝えられない不器用なふたり、滑稽なくらいのすれ違いなのだけど、ふと見せる愛情は何度も泣きそうになった。
とくに主人公がはじめて街を運転するシーン。あの表情のなんともいえない切なさはやられた。
家族や自分の周りに閉塞感を感じて、頑張って背伸びして、ちょっと悪いことなんかやってみたりして。
この映画で描かれている、恋も友情も、家族関係も、なんとなく自分もそんな時期があったな、と胸がチクっとして、だけどそのときはそのときですごく一生懸命なんだよな、上手く振る舞えないだけで、ほんとはちゃんと自分のこと愛したいけど、ありのままの自分を受け入れるのはとてもこわかったあの頃。今もこわいけどね。
そんな感情がぐるぐると。繊細で、とても素敵な作品でした。