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レディ・バードのgraceのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.6
大人になれば悩みなんて消えると思ってた。思春期の主人公と等しく壮年期の人々が悩み苦しむ姿が私には何よりも印象深かった。「私であること」に精一杯で、自分で付けた愛称を名乗り、部屋を自分らしさ満点に飾り付ける(これがとても可愛い)赤髪のレディーバード。ミッションスクールへの閉塞感と神様を信じたい気持ちとか、恋愛を重視してないふりをして強いこだわりを持つところとか、気が合わないって知ってるのにハイカーストのクラスメイトに媚を売ることとか…日常にある揺らぎの描き方がとても丁寧だった。彼女を作り上げたのは彼女一人だけでなく、反発してきた家族、友人、学校、地元であって…それを気付けたなら大丈夫、どこまでも羽ばたけられる。
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