マクガフィン

レディ・バードのマクガフィンのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.5
高校3年生が進路の岐路に立たされて、現在・将来の漠然とした不安や鬱積が混在してバランスが崩れる。こじらせ女子の多感な青春期を女性監督ならでのリアルな描写や自叙伝的雰囲気が漂い興味津々。同時多発テロ事件後の社会背景の変化をメタ的に取り入れた時代選択も巧み。

外見コンプレックス、生活環境の不満からくる都会への願望、勝手に決めたスクールカーストを這い上がろうとし、鬱々とした母親の小言や注意に反発する微妙な親子関係などの現状に辟易して、憧れの都会生活を送るために大学進学にその望みをかけることは、変身願望や狭い世界観が要因だろう。

母子喧嘩をしたが、古着屋に一緒に買いに行ったので仲直りしたかと思いきや、文句やイヤミを言いながら一緒に買い物をする。その女性脳的な女同士の行動原理は男からすると理解不能だが、何となくありそでもあり、何気ないエピソードも作品に味を加える。また、免許所得による運転席と助手席との対比と母目線でみる町並みの映像演出も効果的に。

母親も心配で小言が多いことが愛情の裏返しだとは、距離が近いが故に中々理解できないことは万国共通。離れたり社会に出ないと様々な有り難味に気づかないことは、過去の痛い所を突かれるようにも。

空気を読めなく、周囲も見えないイタさや頑固さにニヤニヤしていたが、性別は違えど似たようなことは幾つもあったので共感し、「自分はこうだったなぁ」というノスタルジーな気分を高められて、心地よい気持ちに。