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レディ・バードのKKMXのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.4
 期待していたほどはハマりませんでした。

 『ワンダー』と同じく、物語は好きですが、展開が早くて構成が好みではなかった、というのが大きいです。後半はさほど気になりませんでしたが、前半はかなり駆け足感が強かった印象を受けています。思春期の1年を描いているので、1時間半程度の長さだと、サブのエピソードが描ききれないのでは、と思います。メインの母娘葛藤とダニーの話は短いながらも見事に描いていたとは思いますが、他のエピソードはやや淡白で物足りない。カイルとか、父親の話がチラっと出てきてもスルーなので気になります。逆に、もう少し登場人物を絞ってもらえたらど真ん中だったかもしれません。

 母娘はかなり似た者同士ですね。故にぶつかり合うのだろうなぁ、と感じています。父親が、「Strength personality」と言ってましたが、まさにそんな感じですね。特に、母親の突っ張り具合とツンデレ具合はなかなか強烈で、ちょっぴりキュンと来ました。

 シアーシャ・ローナン演じるレディバードは、そこまで痛いとは感じませんでした。しごく真っ当な思春期女子だったと思います。彼女はボーイフレンドを作れる社交性があるため、そこまでこじらせてるようには思えなかったです。
 また、日米の文化差を感じさせる描写も印象に残ります。スクールカースト上位と思われる女子と新たに友だちになることは、日本ではあまり見られないのでは、と思いました。

 父親とバードの親友・ジュリーが魅力ありました。お父さんはデリカシーがあって優しいタイプなので、経営とかは向いてないよなー、なんて思います。対人援助や教育系の仕事ならばうまくいっていたかも。
 兄とそのパートナーがやや空気っぽかったのが残念です。特にパートナーとバードのつながりがもう少し描かれていたら、とも思います。


 シアーシャ・ローナン、すごい女優だなぁと感じます。正直、ルックスはシラーっとしていて苦手なので「今回もシアーシャか〜テンション上がらねぇ〜」と毎回思うのですが、いざ作品を観るとグッと惹かれます。
 ティモシー・シャラメはえらい美少年で、海外の俳優ではあまり感じたことのないジャニーズ感を覚えました。
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