sai

レディ・バードのsaiのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.8
“でもヒットしたのよ 文句ある?”

理想と現実のギャップの中でもがく姿は、誰もが身に覚えのあることじゃないだろうか?流石にレディバードと名乗ったりはしなかっただろうけど(笑)
理想の自分を演じようと変な見栄をはったり、一時の感情に流されて全然あわないタイプの人間と仲良くしたり、そんなことをしている内に本当の友達を蔑ろにしてしまったりして。
一番リアルだと思ったのは、母親との関係。険悪なムードで言い合ってたかと思えば、次の瞬間気があったりする、あの独特のやり取り。母親の夜勤してる姿には、つい自分の母親を重ねてしまいましたね~。「私が好きで夜勤やってると思ってるの?」って突き刺さりました。現実はそんなこと言われずに他界してしまったのですが。でも思ってたんだろうな~、と。もっと母の寛容と優しさに気付くべきだったな、なんて個人的感傷に苛まれました(笑)

若気の至りって言葉で片付いてしまうのかもしれないけど、ほんの少し地元に帰りたくなるような、郷愁をそそられるそんな映画。
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