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レディ・バードのblacknessfallのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.0
舞台は2002年サクラメント、カトリック系の高校に通う女の子の揺れ動く心の動きをリアルに捉えたと話題になった映画。

所謂、思春期モノ。
成りたい自分に成れないことへの苛立ちとそんな彼女の思いに理解を示してくれない(と彼女は思ってる)母親との軋轢、お互いの変化からすれ違う友達との関係、そして恋愛。

これら全部よく画けてた。何一つ不満はない。けど、あんま楽しめなかったな。

主人公のレディ・バード、本名が気に入らなくて自分でレディ・バードと名乗ってるて設定からも、かなり自我が強く、自意識を拗らせてる印象を受ける。
自分でも私は自意識過剰で嘘つきで性格が悪いみたいなこと言って、自分がかなりの難物だって自認してるわけなんだけど、なんっつーか、そこがそれほどでもなくない?って感じてしまった。
同系統の映画のスウィート17モンスターやゴーストワールドの女の子と比べで圧倒的で素直で素朴で、悪く言うと簡単に現実と折合いつけそうにチョロく見えるんだよ。

宗教に対する毒づき方、親とのぶつかり方、男の子への不信の向け方、全部のトーンが弱いんだよなぁ。
別にそれが映画的な欠陥になってるわけじゃない、逆にこの地味で淡い彼女の意思や感情の表し方がとてつもない等身大な空気や身近さを出しまくってて、そこが絶大に支持された理由だと思うので。

だから好みの問題なんだよ。おれ、あんまこの女の子に興味や好感持てねえなみたいな😂
もっと自意識をもて余して懊悩して、大人のいやらしい諦観に強く激しく毒づく子の方がいいなってことです。
いい映画だけど自分にヒットするポイントがなかった😂

あと、大学進学で彼女は西海岸をやたらと何もなくダサいからいやと言って、全てが揃ってて洗練されてる東海岸がいいって言ってたけど、日本で言うと大阪とかはいやで東京がいいみたいなことなのかな?
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