てっぺい

レディ・バードのてっぺいのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
【多感すぎる女子あるある満載】
母親からの説教に車から飛び降りてしまう笑、多感すぎる女の子の青春映画。恋への戸惑いや友達への嫉妬や憧れ、満載の“女子あるある”に男の自分でも痛いほど共感。
◆概要
第90回アカデミー賞作品賞など6部門ノミネート作品。出演は『つぐない』のシアーシャ・ローナン、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジズ、『君の名前で僕を呼んで』のティモシー・シャラメら。『フランシス・ハ』のグレタ・ガーウィグが初の単独監督、オリジナル脚本。
◆感想
男の自分でも感じるくらい、多感な青春時代の喜怒哀楽がとても心地いいテンポで伝わってくる。
一瞬の細かい描写に、“多感な女の子あるある”がたくさん詰まっていて微笑ましい。
母親との買い物中の口論がステキな服を見つけた途端収まったり笑、嬉しい事があった時に叫ばずにはいられなかったり、友達への憧れや嫉妬だったり、恋へのドキドキや失望だったり、母親と喧嘩しながらのゆるぎない信頼関係だったり、父親がとにかく優しかったり。
田舎の少女が家を巣立ち、大人になっていく過程が、国も環境も性別も違うけど、なんだか自分の心の奥がつねられるような、痛々しくも共感できる映画でした。
◆以下ネタバレ◆
エンドの描写も絶妙。親から付けられたニックネームである「レディ・バード」。その名前の限りで、つまり親に守られた状態で彼女は高校生活を自由に過ごすことが出来た。
でも、その環境から出て都会に立った時、ボロボロになりながら、レディ・バードの名前がない自分のリストバンドを見る。つまりもうレディバードという名の親に守られた環境に自分はいない。そして彼女が気づくのは、改めての親の偉大さ、ありがたみや共通点。
車の運転がレディバードから母親にシンクロしていくシーンは、前述のリストバンド然り、彼女が母親との揺るぎない絆に改めて気づいて行く、映画としてとても豊かな表現方法だったと思う。
ちょっとガサツでも、喧嘩ばかりでも、母と娘のこれ以上ない絆の物語。男の自分でも十分心があたたかくなる映画でした。
この映画や「君の名前で僕を呼んで」、「インターステラー」などなんだか刺さる映画に出演する、独特の存在感があるティモシー・シャラメ君、今度公開になる「ビューティフルボーイ」にも期待が高まる!
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