バートロー

レディ・バードのバートローのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.0
日本ではいつまで女子高生作品を作っているんだ、という批判がある中、海外の映画・ドラマでは女子高生作品ブームが続いている。ともすればマジカル・キッズ的な(いわゆる架空の都合の良い子供を仕立て、彼ら彼女達の主張が大人をハッとさせる使い古された)メソッドに陥りがちなところを青春映画の傑作達は乗り越えて語るべきことを語ってきた。今作もグレタ・ガーウィグの半自伝という体裁を取ったそれであることは間違いなく、青春映画の枠で多くを語ることが出来る素晴らしい作品だった。『カリフォルニアの快楽主義を語る人は、サクラメントのクリスマスを知らない』から始まり、 サクラメントのカトリック系高校に通う17歳の女子高校生「クリスティン」。この設定でどのような葛藤が描かれるのかは大体予想が付く。キリスト教用語そのままの田舎町、富裕層ばかりのカトリック系のお堅い高校での学校生活、苦労した自分とは違う道を歩ませたい一心で毒親になっている母親。土地、学校、親のトリプル抑圧重ねですくすく育まれた反抗心。ライオット・ガール系バンドで埋め尽くされた部屋。都会で大学デビューしたいという仄かな夢。どこにでもありそうな17歳の日常と心苦しさは王道のようであるが、彼女固有のディテールで新鮮さを垣間見ることが出来る。バードにかかっているのか巣立ちが本テーマである。もちろんそれも青春映画では王道だが、巣立ちをして捨てたものよりも残したもの、残ったものが何よりも印象的だったように思う。神は信じなくても親からもらった名前は使うなんて矛盾してる?いい問いかけ、レディバード。