スチールラグ

レディ・バードのスチールラグのネタバレレビュー・内容・結末

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

アメリカのサクラメントに住む普通の女子高生の普通の物語。
いつも笑顔でちょっとぽっちゃりの親友と一緒に下校する。
「こんなでかい家に住みてー」とか
「こんな庭広かったら結婚式もできんじゃね?」とか
日本の女子高生と変わらない(たぶん)。

でも、彼女は、その普通がどんなに貴重で大変なものかまだ知らない。
その普通を必死で支えているのが、仕事に家事に育児に奮闘するお母さん。
頑張りすぎて、大丈夫か心配になるくらい。
裕福ではないけれど、クリスマスには家族全員にユーモアあふれるプレゼントをちゃんと用意してくれる。
そもそも我慢強い。娘があんなバブルのお立ち台みたいな服を着て試着室から出てきたら普通怒ると思うけど、怒ったりしない。
レディ・バードが勝手に家を出ていくことを決めたときは何カ月もまともに口を聞いてくれないくらい頑固でもある。でも、娘を送った後、どうしても堪え切れずUターンしてしまう。
愛と優しさとユーモアにあふれた素敵なお母さん。
でもレディ・バードはついつい反抗してしまう。

一番びっくりしたのが、二人で娘の感謝祭用の服を買いに行くシーン。
いつものように口喧嘩しながら服を探す二人。
お母さんがひょいとピンクのワンピースを取り出すと、娘「それ、可愛い!」。
・・・さっきまで喧嘩してたのに。
「可愛い」は母も娘も一緒ってことかなあ。

物語終盤、ようやく大人への階段を1段上る彼女。
故郷の良さに気付き、母への感謝を留守電に吹き込む。
よかったね、これからも頑張って、クリスティン!
・・・あと、1000段以上あると思うから。

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