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レディ・バードのkaanaのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
4.8
ティモシーが出ていたので観なきゃと思っていたもの。『20センチュリー・ウーマン』でアピー役だったグレタ・ガーウィグが監督、脚本の映画という情報にものすごく納得。

まず言いたいのは、「ひとつひとつの場面について言いたいことが山ほどあるから、ひとりじゃなくて、分かってくれる人と観るのがおすすめです。」!!!

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「高校3年生」というとても痛々しい時期をあんな風に生々しく、それでいて分かりやすく、かわいらしく、でもやっぱり苦しくなるようなストーリーに描き上げる力にとても感動した。

親への態度や、何もかもに納得行かないような、どうしようもない不満のやり場のなさ、憧れの同級生は自分の遥か彼方、だけどどうしたって自分はそこには立てないし、立ちたくもないって気づいた時の、そしてレディ・バードと名乗ったって羽ばたけないと気づいた時の、虚しさ。
終わりにかけて、自分の大切なものに気づけた「クリスティン」に、心から良かったねえ、と思えた。

私が高校生の時は「恋」なんて遠い話で、幸いにもティモシー演じるカイルのようなナチュラル最低最悪男子は周りにいなかったけど、母親との衝突はすごく身に覚えがあったので胸が痛かった。お互いの心の傷がよく見えて、なんというか、今はもう癒えたけど、過去の自分を客観的に見てるみたいだった。

うわ〜ひとつひとつのシーンについて書こうとすると、とてもじゃないけど無理だね。最初から最後までのシーンが全て繋がっていて、だからこそあんなにも惨めでくだらなくて、だけど自由でかわいらしいクリスティンが描かれてたんだと思う。もう一度観たい…。

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ところで、ティモシーは、あんなに最低最悪男子でもすばらしくかっこよかった。もはや怖い。
主役のシアーシャローナン、検索してみたらものすんごく美人ね…美しいという感じ。

とても良い映画でした。
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