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レディ・バードのcollinaのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
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ほぼ同年代のレディ・バード。心はわがままなのに、大人にならなきゃいけないし、なりたいと思うから、変な背伸びをする。

母と仲たがいして数分後にはバカみたいな話をしてたり、どうしようもないときに泣いてしまうのは母の前だったり、「あるある」と頷きながら観てしまった。「いくら金かかってると思うの!?」って言われたことももちろんある。(私の場合は実際に計算させられたけれど)

そういうふうに、共感するところもあったけれど、自分とは違うところも多かったレディ・バード。

例えば、私の家族は引っ越しが多く、街を出たいと思う前に引っ越しだった。友達はいたけれど、特定の人とつるむこともない。そのときいたい子といればいいし、ひとりでいたいときはひとりでいればいいと思っていた。ディズニーランドは苦手だから誘われてもいかないし、ひとりで休みの日は神保町とか渋谷の映画館とか行きたいところに行っていた。そういう感じの高校生だ。周りもそういう私を「○○らしいね」って言ってくれていたし、高校に限って言えば、先生たちも気さくで、年齢も関係なく話していた。

だから、なんだか近いようで遠い話に感じて、映画に入り込めなかった。特に学校生活が。

そうだよ、「好きなものは好き」って言えばいいじゃない、レディ・バード。

けれど、そう感じたのは今、私が彼女と同じ渦中にいるからかもしれない。背伸び中。私は無意識に彼女から目を背けているだけ、直視していないだけかもしれない。きっと痛いから。

ティーンが主人公の映画は、期間をおいてまた観たら自分がどうなるのか気になります。
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