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レディ・バードのmsのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.9
仲良い友達とかっこいい男子と都会への憧れだけで出来上がった小さな世界で、自尊心や自己嫌悪や承認欲求で手いっぱいになっている思春期女子がもう〜〜痛々しくて見てられない。たまらん。愛しい。

この感覚前にもどこかで感じたな、と思ったらフランシス・ハで感じたイタさと同じだった。それにスウィート17モンスターを足してティモシー・シャラメで割った感じ。この監督、痛くて眩しくて泣きたくなる人間の未熟な部分をグイグイにえぐってくる。

自分の名前が気に入らず、自らをレディ・バードと名乗るクリスティン。私のことはコーデリア・フィッツジェラルドと呼んでと言っていた赤毛のアンを思い出す。

日本人の私からすればカリフォルニアのサクラメントって十分開かれた環境で、レディ・バードは母国語として英語が話せて、パスポートなしでNYへも行けて、なぜ彼女があそこまで絶望するのかいまいちピンとこない。が、アメリカで育った人にはもっと違って感じるのだろうし、自分の恵まれた部分には得てして盲目になりがちで、足りないものにばかり目が行ってしま不器用さこそ10代のあの頃なのかもしれないなとも思った。
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