nina

レディ・バードのninaのレビュー・感想・評価

レディ・バード(2017年製作の映画)
3.5
『私はただ ただお母さんに好かれたいの』

クリスティンっていう可愛らしい名前があるのに『レディバード』とかいう自分で作った架空の名前を周囲に呼ばせて、違う『何か』になろうとする主人公。
これ正直、結構な人が通る道ではないですか?私もそんな時期ありました(黒歴史すぎる)

何もかもにムカつく時期って誰にでもあると思うし、そういう時こそ黒歴史製造期だからもうあれやこれやと恥ずかしいことを恥ずかしげもなくしちゃうのよね。
母親と車の中で口論しててこれ以上聞きたくない!って車走ってる最中にドア開けてぶっ転げるシーンが冒頭のこの映画には、
数々のイタイ共感が詰まってた。

お母さんとか家族、ほんとに気の許した友だちになら何でも気にせずぶちまけられるのに、ちょっと気取って話さないといけない相手には本音すら言えないし取り繕った自分を見せるシーンも共感でしかなかった。刺激が欲しくて違う友だちのとこいっても、結局は何か違うんだよね。

あんな生活がしたい、あんな風になりたいって憧れを持つのも大事だけど、その憧れが強すぎても今自分が持ってる大事なものを見落としてしまうから、ちゃんと今あるものを大事にしないとなぁと思った。

この映画のいい所はレディバードの成長だけでなく、お母さんと娘の物語もしっかり描かれてるところ。
お母さんも娘を大事にするからこそ厳しく怒るし小言も増える。多感な17歳の時にはそれが鬱陶しく思えるけど、後々になって感謝する日がくるんだろうな。空港のシーン、お母さんが車運転しながら泣いてるとこ見て、なんか少し自分の親に重ねてしまった。これから親孝行していこう…(笑)
nina

nina