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エンパイア レコードのLEGIONのレビュー・感想・評価

エンパイア レコード(1995年製作の映画)
3.7
老舗のレコード店”エンパイアレコード”で巻き起こる若き店員たちの騒動を描いた物語。音楽、ファッション、会話内容、ダンスなど全ての動作が90年代のカルチャーをなぞってるように感じてコメディとしての登場人物たちのイカれ具合もちょうどよく見やすかった。音楽としてはロックミュージックがほとんどだが、映画を通して同ジャンルの中での幅の広さを知ることができた。特にストーリーの持つ特徴を一瞬にして吹き飛ばす影響力があるパンクミュージックの扱い方がとても上手いように感じ、ロックの良さをストーリーを上手く利用して引き出しているようにも思えた。落ち目のアイドルのポップスと重音が響くロックの一見合わないように思える二つの音楽をストーリーに沿うように混じり合わせてこの作品特有の音楽色を形成していてレトロの中に新しさを感じた。
90分という短い尺の中でレコード店で働く個性豊かな登場人物全員の特徴をわかりやすく捉えていて、レコード店の一日を描いた物語なのに24時間で起こったとは思えない程の出来事が起こるからシチュエーションコメディとして飽きることはない。登場人物たちのほとんどは思春期ならではの悩みを抱えていて、人物同士で相手の個性を羨ましがっている姿は共感しやすく、他人をリスペクトすることがどれだけ自分の心を育ててくれるか示しているように思えた。
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