KnightsofOdessa

トレジャー オトナタチの贈り物。のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

3.5
[] 70点

コルネリュ・ポルンボユ長編五作目。一般公開されてかつ日本でも手に入りやすいという珍しいルーマニア映画の一つ。隣人に"曽祖父が田舎に埋めた財宝を掘り当てて稼ごう"と持ちかけられ、デカい庭で金属探知機を走らせて穴を掘る話。隣人役の人がポルンボユの友人で、実際にこういった話を家族からされていたらしく、ドキュメンタリーを撮るつもりで金属探知機片手に乗り込んでいったらしいが、収穫ナシということでフィクションに変更したそうな。隣人一族の経歴から、1848年の蜂起から二度の世界大戦、共産政権誕生と崩壊、資本主義の流入という160年の歴史が浮かび上がる。ある意味で、降り積もった地層を貫いて掘り進める作業というのも、歴史を掘り起こすのと似ている。だが、88分のうち66分まで穴掘りに費やすとは流石にイカれてるとしか思えない。そして、まさかラストで"お父さんはロビン・フッドなんだよ"を回収するとは…
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