社会のダストダス

シークレット・デイ あの日、少女たちは赤ん坊を殺したの社会のダストダスのレビュー・感想・評価

2.6
『今週のザ・ベストはこちら! デンッ!!
あの日、少女たちは赤ん坊を殺した』
って感じで、なんだか「世界丸見え」で流れる海外の再現VTRにありそうな映画だなというのが率直な感想。合間にビートたけしが出てきそう。所ジョージが眠そうな顔してそう。天の声のナレーションが聞こえてきそう。
とは言え雰囲気的には結構好きな映画。題材が題材だけに全体的に内容も画面も暗いし、終始不穏な緊張感に包まれている。正直、万人にはお勧めしない。
ジャケットのダイアン・レイン、エリザベス・バンクス、ダコタ・ファニングの三人が主演 …と見せかけておいて、ダニエル・マクドナルド演じる太っちょのアリスが事実上の主人公。

『まずは、こちらの事件のあらすじからご覧いただこう』
群の判事である黒人女性の孫娘が誘拐され、遺体で発見されるという事件が発生した。犯人とされたのは11歳の二人の少女ロニーとアリスだった。アリスは「殺したのはロニーで自分は嵌められた」と主張したが退けられる。
7年後、二人は少年院を出所する。ロニー(ダコタ・ファニング)は街のベーグル店で働き始め、アリス(ダニエル・マクドナルド)はリアリティ番組に自分に起こった不幸を売り込もうと考えていた。アリスの母ヘレン(ダイアン・レイン)は小学校の教員をしている。かつてロニーと仲が良かったヘレンは、娘が太っていることやお互いの価値観の相違を不満に思っていた。
2人の出所から2週間後、ブリタニーという女の子が行方不明になる事件が発生し、人々に7年前の誘拐殺人事件を思い出させる。担当刑事の中には7年前に遺体の第一発見者となったナンシー(エリザベス・バンクス)の姿もあった。

『果たしてアリスとロニーは、本当に事件に関与しているのだろうか』
警察は当然、重要参考人としてアリスとロニーに聴取する。
アリスは冴えない見た目がコンプレックスで、母親と仲のいいロニーを疎ましく感じていた。アリス役のダニエル・マクドナルドは馴染みがない女優さんだったけど、自己中で嫉妬深くて見ていてイライラする嫌らしい感じが凄い、そしてこの顔である(褒めてます)
ロニーはやさぐれ役の第一人者ダコタ・ファニングが演じる。赤子を死なせた事件の主犯格だなんて、今回も共感しづらいことこの上ない役どころ。愛想が悪くて冷たい感じに加えて、この世の終わりみたいな幸の薄さ(褒めてます)

『この後、驚くべき真相が明かされる!』
2人を事情聴取するも、ロニーは何かに怯えるような様子で要領を得ない。アリスは7年前と同様にロニーがやったに違いないと主張する。要所要所に挟まれる回想シーンはそれぞれの言い分がもとになっているが…
2人の少年院での記録から犯行の動機になりうる事実を見つける。
「ママはあきらめるなというが、ママは私をあきらめている」というアリスの言葉が印象的。ヘレンはロニーに対して自慢の娘のように接し、7年前の事件では娘のアリスを必死に庇う素振りを見せなかった。捜査が進むうちにヘレンの歪んだ一面も垣間見えるようになる。しかし、この母親ノリノリである。

『犯人が誘拐した少女を監禁していると思われる家に近づいた、次の瞬間!』
ゾッとする胸糞悪いエンディングを愛してやまない方にはお勧めできる映画。事件は解決して真相が明らかになっても救いにならない。冒頭で再現Vみたいだと書いたけど現実でも起こっていそうな生々しさがある。
太っちょサイコを演じたダニエル・マクドナルドはムカつくほど良かったけど、やっぱり推しのダコタをもうちょっと見たかった。何気に豪華女優陣の顔ぶれなので、もう少し長くても間延びしなかったと思うけど。

『事件から数日後、取材班が訪れると、そこには元気に走り回るブリタニーちゃんの姿が!』
映画のレビューじゃなくて、丸見えあるあるを書きたいだけみたいになってしまった。