服部だった何か

ベテランの服部だった何かのレビュー・感想・評価

ベテラン(2015年製作の映画)
3.8
緊急回避。
いや、何をやて2015年最後の記録が「妖怪ウォッチ2」になるのを、や。大晦日も劇場へ赴くつもりやけど万が一の備えとして消化。

そんなわけで評判が非常によろしくて気になってたこの作品、上映回数がフォースに押し潰されかけとる隙間を狙い打っての鑑賞。
結論から言うと大変楽しかった、評判の良さも納得。
面白かったというよりは楽しかったんやな、この微妙なニュアンス伝わるやろか。
刑事チームvs社会の巨悪チーム、圧倒的不利な刑事さんチームの熱血大立ち回り物語や。

大味に見えるよう綿密に作り込まれたザ・エンタメ作品やったんやないやろか。物語やアクション、カット割りに至るまで周到にコミカルさと格好良さが頗るええバランスで組み立てられとった。
基本的にはコミカルとかシリアスとか一つに振り切って欲しいんやけど中盤ぐらいまでの両立させっぷりは天晴れや。後半にかけてちょっとバランスに偏りは出るけど仕方ないと思える程にな。
冒頭のふざけた感じと格好良さの同居するアクションシーンで心を掴むやり方なんかは見事。
展開のテンポも良く、お話も分かり易く、だるさを感じるかどうかの絶妙なタイミングで挿入されるオモシロ要素。なんやこう言うとコメディみたいに聞こえるけど、喜や楽だけやなく喜怒哀楽満遍なく感情を動かすエンタメ性を備えてたと思う。

脚本の巧さが光る、狙ったダサさも含めてセンスの良い映画。そんなに多くを観てるわけやないけど近年の韓国映画の中でも上位に位置するんやないかな。
というかそんなに多くを観てない俺でも「あっ、この人は」と思うような俳優さんもちらほら。そろそろ名前と顔一致させなあかんなぁ。

かしこまった結末に出来たかもやけど、よっしゃやったれという爽快感もあり、敵さんの強さもちゃんと描く。
気持ち良い鑑賞後感で大満足やぞ工藤。