よふかし

美しいとき/サマータイムのよふかしのネタバレレビュー・内容・結末

美しいとき/サマータイム(2015年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

農家出身のデルフィーヌはパリへ上京し、偶然出会った女性解放運動の活動家キャロルと恋に落ちる。ある日デルフィーヌの父親が倒れ田舎に戻らなければいけなくなるが‪キャロルも田舎に来ることになり…
主人公がパリに出てきてからは女性解放運動のシーンが印象的だけど思想が男女平等とかじゃなく男性嫌悪に偏っていた気がする。二人が愛し合うようになってから‪は女性解放運動もそっちのけになってたのは笑った。
キャロルの田舎での振る舞いは奔放で和やかに見えるが、一方デルフィーヌは周囲の目を気にしていたり父親が倒れてからは家族の生活のためにも農場を継いで田舎を出ることは諦めているように見える。田舎の狭いコミュニティと偏った閉塞的な価値観の中で生きていくのに同性愛者だと知られるリスクは計り知れないものがあるし、農場も見捨てられない。それと自由になりたいと思う気持ちのジレンマ。母親が二人の関係に気付きキャロルだけのせいにする場面は、同性愛=悪を感じたし話すら聞かないのだなぁと悲しくなった。パリに逃げようとして途中で農場に戻ったデルフィーヌをにやにやと嬉しそうに見つめる母の顔にはゾッとした。彼女がパリに行く勇気も出なかったことにイライラしたがあの環境で育っていたらそうなるものなのかな。自由なキャロルとは違い誰もが行動できる勇気を持ってはいない。ただそれで諦めず、数年かけて少しずつでも離れる努力をしたデルフィーヌのその状況を考えると涙が出た。
キャロルが一人自転車に乗っているカットは本当に綺麗だったな…
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