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美しいとき/サマータイムのkentaのレビュー・感想・評価

美しいとき/サマータイム(2015年製作の映画)
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まず、自由。
68年を経験した人々にとって自由は生き生きしていた。生き生きしているものであるからこそ、獲得するべきものであり、獲得するからこそ本物であった。
しかし、現在の我々にとって、もはや自由の生命力など感じられない。不幸なことに、そのような経験を味わうこののない世代に思われる。
このみなぎる力と自由への意志、戦う気概は取り戻されなければならないものである。これは、力強い女性達の物語だ。

そしてもう一つは愛。
愛のうちにあるとき、我々はあたかも無敵のようだ。私的な無限の世界で愛は自ら広がってゆく。だが、あらゆる制度、常識、規範、道徳は無敵さなど顧みず、自由に歩く愛の広がりを妨げる。この、愛の広がりとそれを留める力の葛藤とそれによる苦しみは、普遍的な悲劇であろう。

おそらく、愛の広がりは、自由への契機となりうる。
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