なる

9.11~N.Y.同時多発テロ衝撃の真実のなるのレビュー・感想・評価

3.8
2001年9月11日、アメリカ同時多発テロの瞬間を捉えた貴重なドキュメンタリーフィルム。

ノルデ兄弟は消防士のドキュメンタリーを制作しようとしていた。しかし、偶然にも「9.11」すなわち、アルカイダによるワールドトレードセンターへの航空機突撃テロの瞬間を映像におさめ、こちらを本題にすえて映像作品にしたのである。

本作品は当時NYの現地に居た者しかわからない空気感、緊張感が伝わってくる。

階段をかけ登り、救出を急ぐ消防士。
必死に建物から逃げる人々。
そして崩れ落ちる建物。

ひとつひとつの様子に目が離せない。

しかし本作品は「アメリカ合衆国」目線での9.11を扱ったものにすぎないことに注意が必要である。
つまり、本作においてあくまでアメリカは「悲劇」の舞台でしかないのである。
この事件と同時に、アメリカではテロと関わりがなくとも、移民やムスリムの人々に対する迫害が強くなったことは忘れてはならない。
『扉をたたく人(2007)』などと合わせて多面的な視点から鑑賞することをおすすめする。
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