垂直落下式サミング

オオカミ少女と黒王子の垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

オオカミ少女と黒王子(2016年製作の映画)
1.8
この手合いのジャンル映画の舞台は小綺麗な私立高校である場合が多いのでコンプレックスが沸き上がってくる。私は中学卒業後すぐに実家から厄介払いされるかたちでワラジみたいな臭いのする寮に入れられたので、ボッチがどうのとかリア充がどうのとかを悩んでいられる余裕がなかった。こういうシティ派な話をみると恵まれていていいなとも思うし、気を遣うものが多くて煩わしいだろうなとも思う。
さて、映画ってものはアートとしての表現であるのと同時に、娯楽であり消耗品であるという相反する性質を持つものだ。本作は間違いなく後者の意味合いが強く、観客が望んでいるものを提供することを第一としている。女の子が理想とする恋愛が描かれてればいいのだから、俺みたいなもんがストーリーをとやかく言うのは野暮というものだろう。しかし、いくつか類似する作品をみていると、本作が上等なものだとは思えなくなった。
どうにもこの映画、本筋の話から離れるとお話が停滞してしまう。青春映画でお馴染みの歩道橋とかを走るシーンとかデートシーンのダイジェストは、場を持たせるための、つなぎのためのつなぎ。せっかくファッションモデルが出てるのにキャラクターのファッション性が高いともいえない。夢をみさせてくれよ。
特に、移動シーンでもないのにカメラが手ブレするのがダメだった。構図が堅実でもなけりゃ面白くもなく、ちょっと首を左右に動かせばいいだけなのに、やたらと画面がガタガタフラフラする。普通だったら気にならないはずなのに、この映画のぐらぐらはどうにも気に障る。
アバンタイトルにて、喫茶店から出た二階堂ふみと友達が偶然見つけたイケメンを追いかけていって、白日堂々その人の顔を無許可で盗撮するのだけど、肖像権へ宣戦布告するかのような蛮行をワンカットで撮影する理由はわからないし、中途半端に一筆書きする意味もない。変にワンカットやロングショットにこだわるのホントに謎。室内シーンなんて手持ちしなくていいだろ。三脚を買うんだぜ。
二階堂ふみちゃんが菜々緒さんとケーキ食い合戦をするのはかわいいのですけど、面白くしなくていいから食い物は綺麗に食べて。