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オオカミ少女と黒王子のkoyaのレビュー・感想・評価

オオカミ少女と黒王子(2016年製作の映画)
3.5
原作は少女漫画で、それでも廣木 隆一監督らしくカメラの長回しを多用し、NETFLIXのドラマ『火花』のような世界を作り上げていると思うし、出演陣も主人公の二階堂ふみをはじめたくさんの人気俳優さんを上手く起用し、質の高い映画だと思います。

しかし、私は好きではありません。
観終わった後、何かどろりと心の中に重いものが残る。

一人ぼっちになるのが嫌で見栄で「彼氏がいる」と嘘をつき、よりによって学校の王子と呼ばれる男子生徒とつきあっているふりをすることになる女子高生。

山﨑賢人扮する王子は、最後ハッピーエンドかもしれないけれど、どうしてもこの性格が私は嫌です。

人を傷つける言葉を平気で言いたい放題......なんかこういう人とはかかわりたくないと思う性格の男の子。
そんな男の子が「見た目がいいから」だけで好きになるのか?

なんか二階堂ふみちゃんが、目に涙をためてこらえてこらえて、それでも好きになるのが健気というより、疲れました。
これから先、こういう人と付き合っていくのか、と思うと私は気が重くなります。気持ちよく気が晴れない。

少女漫画原作とはいえ、軽い映画ではないと思います。
恋愛という一番「他人との距離」が大切になる事をきれいごとだけで語らなかったのは原作の力かもしれないけれど、だとしたら私は原作漫画から苦手なんでしょうね。

人を言葉で傷つけてはいけない、本当にそう思う。
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