水無月右京

ラブ・アゲインの水無月右京のレビュー・感想・評価

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)
4.0
ファッションに無頓着、"オトコ"ではなく"パパ"になってしまっている主人公。そんな彼にまったく魅力を感じなくなってしまった妻は、冒頭で自身の浮気を告白し、離婚して欲しいと切り出すところから本作は始まります。いわゆる、もうお前を"オンナ"として見れなくなったから浮気した、別れて欲しいの逆バージョン。

かつて相思相愛だったのにどうしてそうなるのかというと、時間の経過とともに成長していく人と、ずっと同じ場所にとどまっている人、あるいは後退してしまう人がいて、徐々に距離が広がっていくからなんですね。それは人格面であったり、年齢相応のお洒落さや振る舞い、体型であったりするわけなのですが、言えることは、成長に向けた努力は継続しないといけない、ということだと思います。

結婚前にモサかった男性が、結婚後垢抜けた服装になっていくのを見ることがあります。そういうのを見ると、彼はきっと素敵な女性と結婚できて幸せなんだろうなと思ってしまいます。

何が言いたいのかというと、二人の距離感を縮める努力を師匠サイドの人がしているということ、それに本人がきちんと付いていって成長しているということなんですね。夫婦は二人三脚とは上手く言ったもので、自身の自助努力、より良い未来にしていこうという意思も必要ですし、パートナーとして成長していく努力も必要で、双方が一歩ずつ踏み出していくことができればきっと幸せな夫婦になれるんだろうな、そのための会話もきちんとやらないといけないよな、と思うわけです。

本作では遊び人が主人公をモテオトコにする師匠になるのですが、リアルでそんな上手い話はないわけで、だからこそ作品として見ていて面白い。本作では主人公ファミリーと、妻の浮気相手、遊び人、ベビーシッターとで恋の矢印が交錯するコメディー映画となっています。まだ見たことないよ、という方がおられましたら、一度ご覧になってみることをオススメします。