鰯

ラブ・アゲインの鰯のレビュー・感想・評価

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)
3.7
be better than the Gap

キャル・ウィーバーは妻のエミリーに離婚したいと伝えられる。子どもとともに築いてきた幸せな家庭が崩れ去ったキャルは、バーで出会ったナンパ師ジェイコブに男として磨きをかける術を教わることとなる。

男女の恋愛模様がまさにカオス。誰もが一筋縄ではいかない事情を抱えた群像劇。共感できそうでできない、と思ったらふとした瞬間に共感したり。悪意はなくても傷つけてしまったり、気づけば思わぬ事態にはまり込んでいたり。知らぬ間に立場が入れ替わっていたり、アドバイスしてる側が一番できてなかったり。「互いの好意が思いもよらないこじれ方をする」という意味では、少し今泉力也監督の作品に近い感覚がありました。
関係が悪化したときに雨が降ったり、映画のワンシーンを真似たり、顔が見えるところで電話したり、といったべたな恋愛映画っぽい演出があるけれど、コミカルな演出も相まって嫌な感じがしない。

俳優陣の豪華さは言わずもがな。出演時間のそれほど長くないケヴィン・ベーコンが相当いい。かっこいいけど何だかイラっとする。その加減が絶妙。息子役のジョナ・ボボも好き。それから、ハンナの彼氏役の「ナード」っぽさが良かったです。あの顔と髪型はしばらく忘れられません。

登場人物間で気まずくなるシーンが多々ありますが、そこはあっさり終わってしまうのが少し残念。テンポはいいけれど、「気まずさが笑える」みたいな展開がもっとじっくり観たかった
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