こたつむり

ラブ・アゲインのこたつむりのレビュー・感想・評価

ラブ・アゲイン(2011年製作の映画)
4.0
♪ いつだって可笑しいほど
  誰もが誰か 愛し愛されて生きるのさ

巷での評価が高い作品ですね。
だから、どうしても期待値は高めになりますし、それに応えるかのように旋律は軽やか。序盤からニヤニヤが止まらない展開でした。

しかも、語り過ぎない筆致がとても上品。
基本的に悪人が出てこない物語ですし、彼らの想いがジワリと伝わってくるので、抵抗感なく心を添わせることが出来るのです。

なるほど。評判が良いのも納得ですね。
登場人物の年齢層も十代から四十代まで揃えているから間口も広いし、主人公が既婚者だから“恋愛が遠い花火になった層”にも訴求できるわけで。とても巧みなのです。

ただ、それゆえに既視感を抱いたのも事実。
万人受けを目指しているからか、どうしてもキャラクタがテンプレートから外れないのです。しかも、このニヤニヤが止まらない展開は往年のトレンディドラマのよう。

だから、怒られるのを承知で告白すると「あの役柄は浅野温子さん。で、その人が布施博さんで…この人は三上博史さん?彼女は和久井映見さんかな」なんて妄想で遊んでしまいました。

しかし。
その丁寧な下地作りは全て種蒔きだったのです。しっかりと準備して迎える山場は、完全に前のめり。顎は外れんばかりにヨダレが止まらず。あびゃびゃびゃ。いいよ、いいよ。最高だよ。

まあ、そんなわけで。
ハリウッド風味のトレンディドラマ。原題にもあるように「狂っているし、バカげているし、愛している」と言いたくなるほどに素敵な気持ちになれます。やっぱり何よりも大切なのは笑顔ですね。

ちなみに本作でエマ・ストーンは助演女優賞を受賞したようですが、個人的にはアナリー・ティプトンに一票投じたいところ。あんなお姉さんが思春期の頃に居たら、色々と道を誤る可能性ありますからね。けしからん。大いにけしからん。半分よこせ。
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