むらむら

残酷で異常のむらむらのレビュー・感想・評価

残酷で異常(2014年製作の映画)
5.0
「『ループもの映画』が三度の飯より好き」
「『ループもの映画』が好きすぎて、他人との会話もループしがちで、痴呆が始まったと疑われている」
「『ループもの映画』を見続けるだけのループ世界があったら、是非入ってみたいと思う」

そんな「ループもの映画」大好きな俺のためにある映画、それがこの「残酷で異常」だ!

デブな夜間学校教師の主人公は、不可抗力で、フィリピンからの移民である内縁の妻を死なせてしまう。と同時に自分も何故か息絶え、気がついたら数時間前の自分に逆戻り。しかも、次は「ロケットマン」の冒頭のような、謎の矯正施設で罪を告白しあう見知らぬ男女の仲間に入れられており……みたいな話。

タイトルから予測されるようなスプラッターなシーンは全くなし。おそらく、このタイトル「cruel and unusual」は、アメリカ合衆国憲法修正第8条にある「残酷で異常な刑罰を科してはならない(freedom from cruel and unusual punishment)」からの引用。

で、この映画で言う「残酷で異常な」刑罰は、もちろん、永遠に、内縁の妻を殺し、自分も死ぬという過酷な状況を繰り返させられること。

この主人公は、なんとかループを抜け出そうとして奮闘するんだけど、これがいいんだよね。詳しくはネタバレなので避けるけどさ、最終的に、主人公のとった選択が幾つかの救済を招く。こうきたか!って膝を打つ、素敵な終わり方でした。

もっとも、この世界の背景が全然、解明されないなど、消化不良な点は多々ある。だが、主人公の導かれる部屋「7734」が、上下逆にすると「HELL」になるとか(IMDBより)、ヒントは色々と散らばっているように思う。

ま、とにかく「ループもの映画」大好きな俺としては大満足です。たとえ、このポスターのフォントが、田舎のスーパーのチラシでも使わないくらい糞フォントだとしても、俺は支持します。

もう一回観ようっと!(と、ループする)
むらむら

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