面白かったと思う!
主人公の災難を所々にコミカルに挟みながら描かれるワイドショーの準備の様子はとてもリアルで楽しい。
個人的にテレビ番組の裏側は見る機会が多いのだけど、その自分が見ても会話やせかせか忙しく動く姿はまさにテレビ番組の裏側そのもの。もちろん映画映えするようにしてある部分はあるものの、流石テレビ番組を作っていた人の作品といったところ。
細かいところに小ボケや伏線を盛り込んだ会話やドタバタは楽しく、あくまで「一日」の間で起きた物語で、災難のスケールが広がっていくのも面白い。
ただ、肝心の立てこもり事件の現場に乗り込んだあたりから失速する印象。ほぼ会話で物語が進むため、中だるみを感じてしまうし、散々引っぱった主人公の過去の失態の拾い方もあっけない。
犯人の置かれた立場や、澄田だからこその訴えなど、とても面白いはずなのにグダグダ話しているために退屈感が増してしまっていたと思う。
ワイドショーならではの良くも悪くも汚いリアルさと楽しさに満ちた作品ながら、もう少しテンポよくスッキリ描いたほうが面白かったと思う1本。