回想シーンでご飯3杯いける

グッドモーニングショーの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

グッドモーニングショー(2016年製作の映画)
3.4
各レビューサイトでの評価が芳しくないので期待していなかったけど、実際に観てみると十分に面白く感じた。それは恐らく、僕がワイドショーをあまり見ないせいもあるのだと思う。そもそも描かれているワイドショーのテイストがひと昔前って感じがするし、テレビ好きの人がワイドショーあるあるとしての面白みを期待すると、振り切り具合がイマイチに感じるかもしれない。

一方、コメディ映画として観ると、ワイドショーの進行と実際の上映時間がほぼシンクロする構成になっていて、特に業界用語を連発する事無く間口を広く構えた、良質なコメディに感じた。それから冒頭から音楽がやたら良いので調べてみたところ、ジブリ映画からJポップ、校歌まで手掛ける、かなりの実績を持つ方が担当している事を知り、大いに納得した。

キャストも申し分なし。特にクレジットでも敢えて下の方に置いたのかな?と思える濱田岳が中盤で突然登場した辺りで、作品の空気が少し変わって、彼の凄みを感じた。

マイナスポイントとしては、フジテレビ製作という事で、全体に「テレビって面白いでしょ」オーラが滲み出てしまっている事と、後半の視聴者投票の下りの後味の悪さかな。中井貴一と時任三郎に大きなブーメランが跳ね返ってくるような後日談を加えれば、スパイスの効いた良い作品になったと思う。