ノラネコの呑んで観るシネマ

ダウンサイズのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ダウンサイズ(2017年製作の映画)
2.9
こりゃ珍作だ。
環境負荷を抑えるために、人間を13センチに縮小する技術が開発されるも、サイズが小さくなったら資産価値が大きくなるという利己的な理由でダウンサイズ が流行。
世界観は完全にウルトラQの「1/8計画」なんだが、まさかアレクサンダー・ペインがアレを見ている?
設定は面白そう、だけど設定しか面白くないんだな。
その理由は主人公が流されやすいおバカさんで、感情移入を阻み、さらに映画がほぼ終わる時点まで変化しないので、何を描きたいのかずっと不明瞭なこと。
核心がようやく見えるのがラスト5分て。
そしてミニチュアの世界が、現実世界とあまりにも同じ過ぎる。
アイディア命のシチュエーションSFなのに、肝心の13センチから見た世界が殆ど生かされていないのは致命的。
この映画の内容は、別にミニチュア人間の社会じゃなくても成立してしまう。
テーマ性は買うが、残念ながら典型的アイディア倒れの作品で、アレクサンダー・ペインのワースト。