『世界は見るべきものに満ちている』
(劇中)
人生最悪の決断は、果たして本当に最悪なのか。
「ダウンサイズ」
まさに、革命。
登場人物、主人公ポール(マット・デイモン)夫妻は、現状を変え、
幸せになるために、一念発起。
人生1発逆転をかけ、ダウンサイズに挑む。
予想はつくと思うのですが、
短期的にはよくても、主人公をはじめ、小さくなったことで、
いろいろな事件に出くわすことになります。
当人たちの価値観次第ではあるのですが、それが良い決断なのかはそれによるのかなと思います。
一般的な収入であっても、ダウンサイズすることによって、
豊かな暮らしができる。
なぜそうできるのかは、基本的な経済知識の不足かそうなのか、理屈が分
かりませんでした。
ダウンサイズされた新しい世界ができたとしても、時間が経つと、
その世界は、大きい既存の世界と構造は同化してきて、
そのなかで貧富の差は生まれてしまうと感じました。
経済格差の本質的解決には至らないのではと感じました。
今作はそういた、社会問題に対するテーマと並行して、
「人として大切にすべきものは?」という、
テーマも描かれます。
経済的な、外的な豊かさだけではなく、それも大切ですが、
人としてどう生きることが、精神的に幸福で、豊かな生活へと結びつくのか。
それを、お金だけではない尺度で考える必要があると感じました。
アレクサンダー・ペイン新作で、マット・デイモン主演であるのに、公開があっさり終わった今作。
評価が芳しくないようですが、個人的にはとても素晴らしい作品に感じました。面白い。